FilGAPは低分子量GTP結合蛋白質であるRacを特異的に不活化する因子である。本研究ではFilGAPの癌の浸潤、転移における機能解析を行った。(1) FilGAPは上皮由来癌細胞の間葉系遊走-アメーバ様遊走転換に関与する。(2) FilGAPはRacを不活化することでアメーバ様遊走を誘導する。(3) RhoA/ROCK依存的なFilGAPのリン酸化がアメーバ様遊走を誘導する。(4) FilGAPは癌細胞の浸潤、転移に対して亢進的に働く。以上、ROCKによるFilGAPのリン酸化が癌細胞のアメーバ様遊走を誘導し、結果としてFilGAPは癌の浸潤、転移を促進していることが明らかになった。
|