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2011 年度 実績報告書

革新的インビボイメージングを駆使した癌の浸潤・転移における変異型p53の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22700890
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

井上 靖道  名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (10450579)

キーワードインビボイメージング / p53 / シグナル伝達 / がん遺伝子
研究概要

前年度の解析では、TGF-βシグナルを負に制御する原がん遺伝子Skiがp53に結合しピストン脱アセチル化酵素sIRT1をp53にリクルートして脱アセチル化によるp53の負の制御機構を明らかにし論文として報告した。平成23年度はこのようなp53とTGF-βシグナルとのクロストークを中心に解析を進めた。
(1)新たなヒストンモディファイヤーによるTGF-βシグナル伝達の制御機構
ヒストンメチルトランスフェラーゼSET8はp53を負に制御することが知られているが、我々は新たにSET8がSmad3に結合しTGF-βのシグナル伝達ならびに増殖抑制作用を抑制することを見いだした。今後は、SET8がTGF-βや変異型p53によるEMTを介したがんの浸潤・転移への関与を検討していきたい。
(2)リジルオキシダーゼファミリー分子によるTGF-β誘導性EMTの制御
TGF-βによるEMTにリジルオキシダーゼファミリー分子が必須の役割を果たすことを見いだした。リジルオキシダーゼ分子のいくつかはTGF-13-Smad経路により発現誘導され、誘導された分子がSnailなどのEMT実行因子と協調してTGF-βによるEMTを促進させていることがわかった。今後は、TGF-βによるがんの浸潤・転移におけるリジルオキシダーゼの重要性をin vivoで詳細に解析し、TGF-βによるがんの悪性化メカニズムの理解を深めていきたい。
(3)変異型p53新規標的遺伝子の同定とその分子の機能解析
変異型p53新規標的遺伝子の探索をおこなう実験系を確立し検討を進めたが、新たなターゲットの発見には至らなかった。変異型p53は三次元培養下でその機能を強く発揮されるという報告がなされており、今後そのような条件下において変異型p53標的遺伝子の同定を目指したい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] ZSTK474, a specific P13K inhibitor, induces G1 arrest of the cell cycle in vivo2012

    • 著者名/発表者名
      Dan S, Inoue Y, 他8名, 5番目
    • 雑誌名

      European Journal of Cancer

      巻: 48 ページ: 936-943

    • DOI

      10.1016/j.ejca.2011.10.006

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 細胞周期/転移へのFucci技術2011

    • 著者名/発表者名
      今村健志, 疋田温彦, 井上靖道, 羽生亜紀
    • 雑誌名

      がん分子標的治療

      巻: 9 ページ: 227-233

  • [雑誌論文] The roles of TGF-β signaling in carcinogenesis and breast cancer metastasis

    • 著者名/発表者名
      Imamura T, Inoue Y, 他1名, 3番目
    • 雑誌名

      Breast Cancer

      巻: (印刷中)

    • DOI

      10.1007/s12282-011-0321-2

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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