研究課題
1.アミノ酸分析AccQ・Tag^<TM>法による蛍光誘導体化-HPLC法を用いて、ヒト神経芽細胞株SH-SY5YをDMEM培地にて培養し、その培養培地中のアミノ酸21種およびNH_3について一斉分析することができた。また、各培養時間(0~72時間)での定量結果を主成分分析による多変量解析を行うことで検体情報の視覚化を行った。得られた主成分のうち、PC1およびPC2を軸とする二次元グラフ(スコアプロット)を作成した。このとき、各検体のもつアミノ酸情報がグラフ上の1点に集約され、各検体の培養時間の違いを座標位置の違いとして視覚的に理解することができた。またローディングプロットより細胞増殖においてGly、Ala、Pro、Ornの4種が影響を与えていることが分かった。2.ポリアミン分析エキシマー蛍光誘導体化-HPLC法によるポリアミン(Put、Cad、Spd、Spm)分析を行った。蛍光誘導体化試薬に試薬の安定性に優れた4-(1-pyrene)butanoic acidを用いた。標準系において直線性、再現性ともに良好であり、細胞中ポリアミンの分析に十分な感度を有していた。生体や細胞中ではアミン性夾雑物に比べポリアミン類は極微量でしか存在せず、実試料を直接誘導体化してもSpd、Spmが十分に誘導体化できなかった。そこで、前処理操作の最適化を行った。細胞を分取後、過塩素酸処理により細胞を溶解し、弱陽イオン交換カートリッジによる固相抽出を行うことで細胞中Put、Spd、Spmを分離・検出することができた。今後、白血病培養細胞中ポリアミン分析を行っていく。3.有機酸分析Fluorous Scavenging Derivatization(FDS)法を用いた有機酸分析法の確立を行った。これまで報告されていた蛍光誘導体化試薬は未反応試薬ピークにより高極性、短鎖有機酸の検出が妨害されていたが、今回、フルオラス分離技術の応用により試薬ピークを除去し、高感度かつ高精度にTCAサイクル中間体などの体内に存在するモノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸を一斉分析することができた。
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Bunseki Kagaku
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