研究概要 |
平成23年度までに構築した分析法を基盤とし、以下の研究を行った。 (1)ポリアミン分析:これまで、アセチル体は高温で長時間の加水分解処理を行った後にエキシマー蛍光誘導体化後アセチル体及び遊離体の総量として測定し、遊離体のみの測定値を差し引いて求める必要があったため、煩雑で再現性が悪いという問題点があった。そこで、アセチル体及び遊離体を直接ピレン誘導体化し、エキシマー蛍光波長(475 nm)及びモノマー蛍光波長(375 nm)で同時測定することでアセチル体の3種(AcSpd, AcSpm及びDiAcSpm)及び遊離体の4種(Put, Cad, Spd及びSpm)を分離・検出し、分析の短時間化・再現性の向上が達成された。同時定量法をバリデートできたが、癌患者血液分析を行うに至らなかった。 (2)アミノ酸分析-主成分分析:ヒト神経芽細胞由来細胞株に分化誘導剤であるATRA及びAm80処理を行った。形態学的分化誘導すなわち神経突起進展作用を示すことができた。そのNH-12培養培地中アミノ酸12種及びNH3の定量結果に神経突起長を加えて主成分分析を行ったところ、無処置群を化法に、分化誘導剤処置群を上方に座標位置の違いとして細胞分化における変化を理解することができた。 (3)アミノ酸オンライン分析:NBD-F(4-fluoro-7-nitro-2,1,3-benzoxadiazole)を用いたオンラインプレカラム誘導体化分析法を開発した。NBD-F誘導体化後、イオン交換と逆相のミックスモードカラムをトラップカラムとしてアミノ酸を捕集、モノリス-ODSカラムを用いて健常人血中アミノ酸を分析することができた。 (4)ペプチド分析:Arg含有ペプチドであるTuftsin、AngiotensinII、Neurotensin及びDynorphin Aをピレン試薬によるポストカラム誘導体化法を開発した。
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