研究課題
1.遺伝子変異の有無の解析が終了している肺腺癌81例(EGFR変異39例、KRAS変異6例、ALK転座9例、いずれの変異もなし27例)のmicroRNA発現レベルをマイクロアレイによって網羅的に調べた。EGFR変異肺腺癌、KRAS変異肺腺癌、ALK転座肺腺癌に特徴的な発現をしめすmicroRNAをそれぞれ抽出した。パスウエイ解析をした所、EGFR変異肺腺癌ではp70S6K Signalingなどが、KRAS変異肺腺癌ではClathrin-mediated Endocytosis Signalingなどが、ALK転座肺腺癌ではRANKSignaling in Osteoclastsなどが、抽出されたmicroRNAに特徴的なパスウエイであることがわかった。2.同様に肺小細胞癌35例をマイクロアレイによって網羅的microRNA発現解析した。肺腺癌とともに階層クラスタリングすると、小細胞癌だけで独立した群を形成するSCLC1群と肺腺癌とともに群を形成するSCLC2群の2群にクラスターされた。Kaplan-Meier生存曲線では、SCLC1群はSCLC2群より有意に予後が悪かった(P=0.039)。3.遺伝子型の異なる肺腺癌に特徴的であったmicroPNAおよび、小細胞癌を予後に差のある2群に分けたmicroRNAについて、公開マイクロアレイデータを使ったvalidationや細胞株レベルの実験により、診断治療への応用へ向けてさらなる検討が必要である。
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