培養株および外洋の天然植物プランクトン群集を用い、種々の生理状態診断法を検討及び適用した。また、この過程において、数種の外洋性のピコ・ナノ植物プランクトンの培養株を作成することができた。種々の検討の結果、特に、リン酸モノエステラーゼ及びリン酸ジエステラーゼ活性とこれを細胞ごとに診断するELF-97の組み合わせはリン酸制限を診断する上で最も簡便かつ有用な方法であることが確認された。これを南北太平洋で適用したところ、広範なリン酸制限マップを描くことができた。また、亜熱帯表層におけるリン酸ジエステルはモノエステルに比べて生物学的に安定な画分であるという地球化学的に重要な知見が得られた。
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