亜熱帯・熱帯沿岸域を特徴付けるサンゴ礁、アマモ場、マングローブ林において夏期、冬期の水中における呼吸量や総生産量を従来の炭酸系や溶存酸素の濃度測定による手法と三種酸素同位体比を用いた手法とを用いて測定し、比較を行った。得られた結果から、明条件では暗条件よりも有意に高い呼吸(数10%~2倍程度)が認められた。この事は、従来の炭酸系や溶存酸素から算出される総生産量、総呼吸量が過小評価だったことを示している。ただし、三種酸素同位体のアノマリーを用いて総生産量を計算する際に使用する「光合成由来のアノマリー値」は不確かな部分があることも判明し、より正確な呼吸量や総生産量測定のために今後の更なる研究が必要であることも明らかとなった。
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