研究概要 |
本研究では、リモートセンシングを用いた純一次生産量の算定を高精度化するため、低空間解像度データと高空間解像度データを相補的に利用した新しい手法を開発する。研究の手法は以下の四つで構成される。 (1)高空間解像度データ(ALOS/AVNIR-2, PRISM)による植生情報の取得 (2)低空間解像度データ(Terra/NODIS)による時系列植生モニタリング (3)アメダスを用いた気象データ(日射量、気温、降水量)の整備 (4)植物動態モデルBiome-BGCによる純一次生産量算定 このなかで、本年度は以下を実施した(数字は該当する項目)。 ・有理関数モデルとデジタル標高モデルを利用したAVNIR-2とPRISMのオルソ画像の作成(1) はじめにAVNIR-2データの位置精度を評価し、数十メートルの位置誤差が含まれることを確認した。そのため、地上基準点を利用して誤差を補正するシステムを作成した。現在、PRISMから自動で地上基準点を抽出し、AVNIR-2を補正する手法を開発している。 ・決定木分類法に基づく領域単位の土地被覆分類手法の開発(1) これまで用いられてきた画素単位の土地被覆分類手法を改良し、画像の小領域を単位とする分類手法を開発した。 ・MODIS画像のコンポジット手法の改良(2) 2000年から2010年の日単位のMODISデータを整備するとともに、雲を除去するためのコンポジット手法として、可視域の反射率と近赤外域の反射率を逐次的に利用したコンポジット手法を開発した。 ・気象データの整備(3) アメダスから得られる日射量と気温について、アメダスメッシュ化プログラムを用いてメッシュデータを整備した。
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