研究課題/領域番号 |
22710011
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
松岡 真如 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (50399325)
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キーワード | リモートセンシング / 純一次生産量 / 空間解像度 |
研究概要 |
本研究では、リモートセンシングを用いた純一次生産量の算定を高精度化するため、低空間解像度データと高空間解像度データを相補的に利用した新しい手法を開発する。研究手法は以下の四つで構成される。 1.高空間解像度データ(ALOS/AVNIR-2,PRISM)による植生情報の取得 2.低空間解像度データ(Terra/MODIS)による時系列植生モニタリング 3.アメダスを用いた気象データ(日射量、気温、降水量)の整備 4.植物動態モデルBiome-BGCによる純一次生産量算定 このなかで、本年度は以下を実施した(見出し後の数字は該当する項目)。 (1)高空間解像度データを用いたパンシャープン手法の評価[1]:空間解像度の高いパンクロマチック画像と解像度の低いマルチスペクトル画像を合成して解像度の高いマルチスペクトル画像を合成するパンシャープン手法について、ALOS/AVNIR-2とPRISMを用いて7手法の評価を実施した。また、パンシャープンによる分光情報劣化の影響を評価するため、航空機搭載ハイパースペクトルデータ(AVIRIS)を用いたシミュレーションを行い、手法による影響の違いを明らかにした。 (2)高解像度データによる樹木位置抽出アルゴリズムの評価[1]:高解像度画像から樹木の位置・本数を抽出するため、局所最大値フィルタ法による樹木位置抽出アルゴリズムを適用し、その有効性を評価した。 (3)山岳地形を考慮した日射量データベースの作成[3]:日射量は気象以外にも地形の傾斜や遮蔽の影響を受ける。今年度は数値地形モデルを用いて、1979年から2009年における山岳地形を考慮した月別日射量データベースを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高空間解像度データによる土地被覆分類と低空間解像度データによる植生季節変動の対応付けにおいて、手法の開発に時間を要している。また、植生動態モデルへの入力データを高空間解像度で整備する作業時間の確保が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
土地被覆分類と植生季節変動の対応付けを解像度の高いデータを基準として実施した後、植物動態モデルによる純一次生産量の算定を実施する。また、樹木の位置や本数の情報を補助データとして利用することによる推定精度への効果を評価する。
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