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2010 年度 実績報告書

後氷期と間氷期のバイオマス燃焼量の比較ー気候変動への人為影響の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 22710015
研究機関大阪市立大学

研究代表者

井上 淳  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 特任講師 (90514456)

キーワードバイオマス燃焼 / 氷期・間氷期 / 人為影響 / 気候変動
研究概要

近年Ruddiman(2003)によりEarly Anthropocene Hypothesis(原始人新世仮説)という仮説が提唱された.この仮説によると,約8000年前以降の火入れや農耕などの人の活動により温室効果ガスが排出され,数千年間にわたって徐々に温室効果ガスが大気に蓄積された.そしてその結果,ガスの温室効果により本来の地球システムでは氷期にあるべき数千年前~現在が温暖な気候となったとされている.
最近の日本の研究では,約1万~7000年前頃に火入れや森林火災等のバイオマス燃焼が頻発していたことが明らかにされている.このような日本のバイオマス燃焼量増加はRuddimanの仮説と矛盾しない.しかし,日本でのバイオマス燃焼量の原因は,はっきりとは特定されていない,本研究では,バイオマス燃焼量変化の要因,特に後氷期(約1万年前以降)のバイオマス燃焼量増加要因の解明を目的とする.このため,近畿地方の約50万年間の間氷期・後氷期の堆積物について微粒炭(火入れや森林火災により発生する微細な炭)分析を行い,各間氷期の堆積物に含まれる微粒炭量の比較を行い,その結果に基づき,後氷期の微粒炭増加原因を検討する.
当該年度には,神戸沖で採取された堆積物中の微粒炭量を測定した.結果,MIS(酸素同位体ステージ)5に相当するMa12層,及びMa11, MIS9に相当するMa10層には総じて微粒炭が少なく,MIS11に相当するMa9層中では比較的多くの微粒炭が認められた.今後,後氷期のデータと比較し,その要因について考察する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 湖沼堆積物中の燃焼痕跡物として記録された後氷期の人間活動2010

    • 著者名/発表者名
      井上淳・北瀬(村上)晶子
    • 雑誌名

      第四紀研究

      巻: 49巻 ページ: 173-180

    • 査読あり
  • [学会発表] 黒ボク土中の微粒炭と森林火災・火入れ跡から採取した炭の反射率の比較-黒ボク土中の微粒炭の起源とタフォノミーについて-2010

    • 著者名/発表者名
      井上淳・井上弦
    • 学会等名
      日本第四紀学会
    • 発表場所
      東京学芸大学
    • 年月日
      20100800
  • [備考]

    • URL

      http://www.geocities.jp/charcoalparticles/charcoal/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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