• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

H2濃度を指標に海洋窒素固定活性を直接検出することで活性分布を詳細に描写する

研究課題

研究課題/領域番号 22710024
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

川口 慎介  独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 研究員 (50553088)

キーワード水素ガス / 海洋 / 窒素固定
研究概要

本年度は,昨年度中に構築したガスクロシステムを利用した洋上観測を実施した。当初予定していた貧窒素栄養海域における航海は震災の影響などもあり実施できなかったが,比較的窒素栄養の枯渇している海域での別航海(西部北太平洋)に乗船し,洋上観測を実施できた。窒素栄養が豊富な中緯度域では表層水のH2濃度は一日を通じて大気平衡濃度以下であったが,亜熱帯定期観測点(Sl)においては,日中に過飽和となっていることが判明した。これらの成果はサンプル瓶に採取して実施する従来の分析法でのものである。同航海の船舶は「みらい」であったが,「みらい」の連続採水システムからの採水では,バイアル瓶試料に比べて圧倒的に高いH2濃度が観測された。これは採水システムにおけるH2生成を示唆しており,当初計画していた航走しながらの連続観測が,少なくとも「みらい」では,難しいことを示している。同航海では,震源域周辺の海底直上水の採取を行い,H2濃度の観測を実施した。この結果,深層水では本来ありえないH2濃度の過飽和が検出された。H2以外の,たとえばメタンやマンガンについても同様に濃度の高まりが検出され,また微生物菌数の増加や微生物群集構造の変化も認められた。これらの原因として,地震による海底堆積物の舞い上がりと海底下深部からの流体放出を想定し,成果をまとめ論文を投稿し,ネイチャー出版会のオンラインジャーナルであるサイエンティフィックリポーツ誌に掲載された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Disturbance of deep-sea environments induced by the M9.0 Tohoku Earthquake2012

    • 著者名/発表者名
      KAWAGUCCL, S., et.al.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 2 ページ: 1-7

    • DOI

      10.1038/srep00270

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20120217/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi