固定発生源からのPM_<2.5>排出濃度の測定法としてのバーチャルインパクタの実用化を目的に、改良型装置(高流量化)の開発を目指し研究を行った。本年度は、高流量化を含め、本装置の信頼性確保のための装置改良および測定法改善について主に取り組んできた。高流量化については、市販の煙道用カスケードインパクタ(Jhonas Impactor)の設定流量と同等の流量で10μm、2.5μmカットのできる構造に寸法を変更し、試作品を作成した。試作品については、単分散粒子を用いた分離試験を行い、流量増加に伴う分離性能低下の問題を明らかにし、さらに改善をする必要があることが分かった。それに伴い、現状の流量タイプのインパクタについても同様の改善を施し、更なる分離能力改善を試み、単分散粒子による分離試験によりその効果を確認した。 また、模擬煙道を用いて測定法の改善について検討を行った。そこでは、流量の制御の問題、煙道内外の圧力差による障害の問題などが明らかとなりその改善を行った。さらに、国内外で実プラントでの測定を行い、インパクタの有用性確認を行うと共に、測定法として水分凝縮による障害や熱による障害、配管による障害が明らかとなった。 来年度は、本年度で明らかとなった改善点を踏まえた装置的なもしくは技術的な改良を行い、主に実プラントでバーチャルインパクタ法の有用性を提言できるデータの収集を行う。
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