研究課題
固定発生源からのPM_<2.5>排出濃度の測定法としてのバーチャルインパクタの実用化を目的に、改良型装置の開発を目指し研究を行った。前年度は高流量化を含め、本装置の信頼性確保のための装置改良および測定法改善について主に取り組み、改善すべき項目の洗い出しができた。流量増加に伴う分離性能低下の問題。流量の制御および煙道内外の圧力差による障害の問題。水分凝縮や熱による障害、配管による障害である。本年度はそれらの問題に対する改良を試み、有効性を確認した。分離性能低下については、最適な流量に対する装置の最適構造(特にノズルの配置や形状)に改良した。流量制御については、マスフローメータを含む流量制御ラインを整備し、ある程度の自動制御が可能にすることで対策した。圧力差については、急激な圧力差を生み出さないよう空吸引時間を含ませた吸引プログラムを導入することにより対策した。水分凝縮や熱に対しては、流量制御ライン内に凝縮水除去部を設けることや素材の選択及び加温装置の取り付けにより対策した。以上の改良を加え、中国の石炭火力発電排ガスを用いてその効果を確認した。測定の結果から、新たに導入・改良した装置本体・流量制御ライン・吸引プログラムにより、正確なPM2.5測定が可能になった。本成果は公表し、固定発生源煙道内でのPM10/2.5質量濃度測定方法のISO化に貢献できた。
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WIT Transactions on Ecology and the Environnent
巻: 154 ページ: 71-81
10.2495/CHEM110081