本年度は、生物多様性条約第10回締約国会議に際して国連大学認定RCE-ESD (Regional Centres of Expertise on Education for Sustainable Development:持続可能な発展のための教育における地域拠点)のひとつであるRCE中部(中部ESD拠点)が実施した、SNSサイトを利用した生物多様性に関わる対話プロジェクトに着目して、環境問題解決におけるインターネットを利用した合意形成のための手法研究を行った。主としてNGOや市民団体メンバーによるサイトの利用があり、COP10会期中に共同アピールを発信した。本研究では、COP10開催前・開催中・開催後のサイトの議論内容および参加形態を分析し、SNSサイトを利用した討論および合意形成の成果と課題を考察した。 また、COP10での活動の成果と課題を踏まえ、2012年にインドで開催されるCOP11に向けてサイトを再構築して対話事業を継続する。このため、COP10における南北問題や伝統知・地域知をテーマとした対話を更に発展させるべく、COP10終了後には、アフリカ・ガーナ共和国において調査を行った。現地では、GMO作物導入のリスク研究やマングローブ保全活動などの事例収集を行うと同時に、ガーナにおける有識者をインターネット上の対話プロジェクトに誘導した。 なお、本研究・活動の進捗と成果は、国連大学主催の諸会議および日中韓環境教育ネットワーク(TEEN)など、海外の国際会議で報告を行っている。
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