本研究は、SNSサイトを利用した環境保全に向けた市民の「認識共同体」の発展や合意形成のための手法構築の研究である。2010年に愛知・名古屋で開催された生物多様性条約締約国会議(COP10)に向けて実施されたSNSを利用した対話プロジェクトを事例として調査を行った。研究成果としては、事例調査の成果から、SNSが生物多様性保全の重要性等の問題意識を共有する主体間の情報・意見の交換に有効であり、「認識共同体」の拡大のための一手法として有効であることが確認された。しかし一方で、対立する意見の対話や合意形成に至るプロセスにおけるSNS利用の有効性を認めることはできなかった。
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