Top1にエピトープタグ(HAおよびFLAG)を付加した発現コンストラクトを導入し、安定に発現するHEK293細胞株から全細胞抽出液、核抽出液および可溶化クロマチン画分を作成し、それぞれの抽出液を用いてタンデムアフィニティー精製(TAP法)を行った。得られた精製物はSDS-PAGEおよび銀染色で可視化し、相互作用因子と思われるタンパク質バンドを複数回の実験で確認した後、ゲル片を切り出して質量分析でタンパク質を同定した。その結果、Top1はクロマチン制御に関わる因子や転写因子と相互作用していることを明らかにした。その後、それらの相互作用因子のrDNA制御機構をChIP法により解析した。Top1を含めた複合体構成因子は、DNA損傷に応じてrDNA上で特異的な挙動を示すことを明らかにした。 Top1が各修復系に必要な因子であれば、Top1発現抑制により、細胞生存率などの感受性は増大すると予測できたため、内在性のTop1の発現をsiRNAによりノックダウンし、各種DNA損傷感受性を解析した。その結果、Top1の発現を抑制した場合、紫外線DNA損傷に抵抗性を示すことを明らかにした。
|