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2012 年度 研究成果報告書

アナモックス反応を短期間で既存の排水処理施設に導入可能なスタートアップ技術の開発

研究課題

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研究課題/領域番号 22710072
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 環境技術・環境材料
研究機関東京農工大学

研究代表者

寺田 昭彦  東京農工大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (30434327)

研究期間 (年度) 2010 – 2012
キーワード環境技術 / 微生物 / バイオフィルム / アナモックス / 微生物付着
研究概要

アンモニア酸化細菌(AOB)とアナモックス細菌は増殖速度が遅く、スタートアップの短縮化が技術的課題である。そこで、これらを利用した排水処理プロセスのスタートアップ短縮を目指すため、これらの細菌が迅速に固定化される担体を作製した。ポリエチレン製不織布担体に放射線グラフト重合法を適用し、エポキシ基を有するグリシジルメタクリレート(GMA)をグラフトし、ジエチルアミン(DEA)溶液に浸漬させ、GMAのエポキシ基をジエチルアミノ基に転換した(DEA担体)。化学的に正電荷に改質されたDEA担体はAOBを1日以内で固定化でき、付着速度は元の担体の10000倍に達した。9日間の培養で得たAOBバイオフィルムのアンモニア酸化速度は、元の担体の4.4倍に達した。一方、アナモックス細菌集積汚泥でもアナモックス細菌はDEA担体に迅速に固定化され、窒素除去速度は元の担体と比較して2.4倍に向上した。
一方、細菌群のコミュニケーション機構であるクオラムセンシング(QS)がバイオフィルム形成を制御しており、上述した細菌群はアシル化ホモセリンラクトン(AHL)をQSを伝達するシグナル化合物である可能性が近年報告されている。したがって、このAHLを分解可能なアシラーゼを固定化した不織布担体を作製し、バイオフィルム形成の重要因子の解明を目指した。アシラーゼをDEA担体に固定化したシート上に形成されるAOBのバイオフィルムは凝集化せず分散する傾向が得られた。つまり、この担体ではバイオフィルム化の引き金になるAHLの分解が起こり、バイオフィルム形成が抑制される可能性が示された。一方、このような傾向はアナモックス細菌のバイオフィルムには見られず、他のシグナル物質か異なる機構によるバイオフィルム化が起こる可能性が示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Presence and detection of anaerobic ammonium-oxidizing (anammox) bacteria and appraisal of anammox process forhigh-strength nitrogenous wastewater treatment2011

    • 著者名/発表者名
      A. Terada, S. Zhou, M. Hosomi
    • 雑誌名

      A review, Clean Technologiesand Environmental Policy

      巻: 13 ページ: 759-781

    • DOI

      DOI:10.1007/s10098-011-0355-3

    • 査読あり
  • [学会発表] 基盤表面改質によるバイオフィルム制御と環境バイオテクノロジーへの応用2013

    • 著者名/発表者名
      寺田昭彦
    • 学会等名
      化学工学会第78年会
    • 発表場所
      大阪大学大阪
    • 年月日
      2013-03-19
  • [学会発表] 不織布担体の化学改変によるアンモニア酸化細菌のバイオフィルム形成促進2013

    • 著者名/発表者名
      樋口亮、細見正明、寺田昭彦
    • 学会等名
      化学工学会第78年会
    • 発表場所
      大阪大学大阪
    • 年月日
      2013-03-17
  • [学会発表] 不織布担体の化学改変によるAOBのバイオフィルム形成促進2012

    • 著者名/発表者名
      樋口亮、細見正明、寺田昭彦
    • 学会等名
      第64回日本生物工学会大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場兵庫
    • 年月日
      2012-10-26
  • [学会発表] Biofilm control in wastewater treatment by modification of bio-interfaces2012

    • 著者名/発表者名
      A. Terada
    • 学会等名
      Towards enhancement of biofilm reactor performance and prevention of biofouling The 28th Annual Meeting of the Japanese Society ofMicrobial Ecology (invited)
    • 発表場所
      豊橋技術科学大学愛知
    • 年月日
      2012-09-19
  • [学会発表] 加工不織布担体を用いたアンモニア酸化細菌のバイオフィルム形成促進の試み2011

    • 著者名/発表者名
      樋口亮、細見正明、寺田昭彦
    • 学会等名
      バイオフィルムと複合系研究会2011
    • 発表場所
      早稲田大学東京
    • 年月日
      2011-11-15

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公開日: 2014-08-29  

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