研究概要 |
本研究では、マイクロ波照射による反応促進効果の発現メカニズムの解明を、表面科学、界面化学的アプローチにより、粒子表面のキャラクタリゼーションを軸とした粒子特性の制御やナノスケールでの粒子表面設計を通じて研究を推進した。具体的には、マイクロ波照射時における反応過程の直接観察手法の確立、発熱挙動の解析といった研究項目に対して、表面科学的、結晶学的、分光学的等、様々な見地、手法を駆使して学術的解明を図り、ナノスケールでの物性制御をバルク体としての機能性付与やマクロ物性制御へと繋げていく。更に得られた技術的知見は「局所反応場制御による革新的低環境負荷プロセス」の基礎技術シーズとし、技術イノベーションの創出と新たな研究領域の開拓を目指した。 本研究開発の知見から、市販セラミックス粉体はその製造方法によって表面状態が異なり,それに起因して水和挙動に差異が生じるため、粉体表面に存在する非晶質層を利用する手法では、再現性と強度発現の観点から改善が必要ということがわかった。そこで粉体を簡便な表面処理等の後工程により水和しやすい表面状態を作る事ができれば本手法がより扱いやすくなり,適用範囲も広がると考えた。本研究開発では、メカノケミカル効果による表面活性現象を利用した表面処理を行い、粉体表面状態を変化させ、その後の成形体特性の比較を行った。まず遊星ボールミル時の条件(回転数、ボール径、時間等)を検討し、効率よく粉体を活性化できる最適条件を検討した。結果より、遊星ボールミルによる表面処理によりアルミナ粉体の誘電損率を向上、制御することができ、結果マイクロ波吸収効率を向上させることができることを明らかにした。
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