• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

機能性触媒のデザインにおけるカーボンナノチューブ内部空間の利用

研究課題

研究課題/領域番号 22710088
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

湯村 尚史  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (80452374)

研究期間 (年度) 2010-10-20 – 2013-03-31
キーワード密度汎関数法 / 触媒 / 軌道相互作用 / カーボンナノチューブ
研究概要

本年度の研究では、カーボンナノチューブの表面に銅原子を担持させ, その後そのサイトが酸素分子を活性化できるかを密度汎関数法計算で探った. チューブ表面としては, 昨年度見出した空孔欠陥を基に, 欠陥部位の四つの炭素原子を窒素原子に置換したものを用いた. この欠陥部位近傍の構造は, ポルフィリン環に類似したものである. この構造類似性のため, 銅原子を容易に表面に取り込むことが可能であった. この銅担持ナノチューブを用いて酸素分子との結合生成, および活性化についてのエネルギー論を調べた. この時, チューブの内部表面および外部表面での化学現象の比較を行った. まず, 銅担持チューブと酸素分子が相互作用できるかを調べた. その結果, 酸素分子は銅原子近傍に緩やかに捕捉されることが分かった. この捕捉現象において, ナノチューブ内部と外部の違いは見られなかった. この構造を基に, 銅担持チューブによる酸素分子の活性化についての知見を得た. 外部表面で酸素分子が活性化した構造を最適化したところ, 銅オキソ種が得られた. しかし, この銅オキソ種は, 酸素捕捉状態より 66 kcal/mol 不安定であることが分かった. この結果は, 銅担持ナノチューブによる外部酸素分子の活性化には熱エネルギーが必要なことを示唆している. 一方, 内部空間での酸素分子活性化については最適化構造すら得られなかった. この外部および内部表面の化学現象の違いは, オキソ種生成において銅原子の移動のしやすさに起因する. 銅オキソ種はオキソ部分にスピン密度を持つため, メタンの C-H 結合活性化に用いられる. この種は, 生体内酵素でのメタン酸化反応の活性種である. 今回, この銅オキソ種がナノチューブ表面に生成されるには熱エネルギーが必要であることが分かった. これはチューブ表面の硬さが原因である.

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 表面における計算科学 (1) 軌道概念をもちいて2013

    • 著者名/発表者名
      湯村尚史
    • 雑誌名

      色材協会誌 “最新表面科学講座”

      巻: なし ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 表面における計算科学 (2) 密度汎関数法 (第一原理計算)2013

    • 著者名/発表者名
      湯村尚史
    • 雑誌名

      色材協会誌 “最新表面科学講座”

      巻: なし ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Platinum Clusters on Vacancy-type Defects of Nanometer-sized Graphene Patches2012

    • 著者名/発表者名
      Yumura, T.; Awano, T.; Kobayashi, H.;Yamabe, T.
    • 雑誌名

      Molecules

      巻: 17 ページ: 7941-7960

    • DOI

      DOI:10.3390/molecules17077941

    • 査読あり
  • [学会発表] イモゴライト内部表面と二酸化炭素との相互作用に関する密度汎関数法計算2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤 優・湯村 尚史・小林 久芳
    • 学会等名
      日本化学会第93春季年会 (2013)
    • 発表場所
      立命館大学 (南草津)
    • 年月日
      20130322-20130325
  • [学会発表] 二酸化炭素を捕捉したグラフェンオキサイドの構造特性に関する密度汎関数計算2013

    • 著者名/発表者名
      山崎 愛弓・湯村 尚史・小林 久芳
    • 学会等名
      日本化学会第93春季年会 (2013)
    • 発表場所
      立命館大学 (南草津)
    • 年月日
      20130322-20130325
  • [学会発表] カーボンナノチューブ内部チオフェンオリゴマー間に働く鎖間相互作用2013

    • 著者名/発表者名
      湯村 尚史・山下 裕生
    • 学会等名
      日本化学会第93春季年会 (2013)
    • 発表場所
      立命館大学 (南草津)
    • 年月日
      20130322-20130325
  • [学会発表] Zeolite Confinement Effect in Stability of Reaction Intermediates for C-H Bond Activation2012

    • 著者名/発表者名
      Yumura, T. and Kobayashi, H.
    • 学会等名
      International Conference on Emerging Advanced Nanomaterials (ICEAN)-2012
    • 発表場所
      Brisbane (Australia)
    • 年月日
      20121022-20121025
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi