研究課題
金キャップナノ構造体チップの上に、抗体分子と分子インプリント薄膜(MIPR)を各々調製し表面状態を比較した。抗体固定界面は、数百ナノメートルの表面凹凸構造が認められたが、MIPR界面はそれら凹凸構造が殆ど認められなかった。そこで、MIPRの調製工程で必要な重合時間を0.1-5.0分の間で検討を行ったところ、2分以下の時にターゲット分子の吸着に伴う僅かなLSPR応答が認められはじめた。抗体固定チップでは自己組織化単分子膜(SAM)を介し共有結合的に素子を固定化させるが、MIPRチップは金キャップナノ構造体表面でランダムにテンプレート分子を配置・重合させる事により薄膜を調製し固定化させるため、ターゲット分子を捕捉する結合サイトの分布や、その密度を抗体固定界面のよう化学的に配置・制御する事が困難である。よって、LSPR応答によるバックグラウンドとS/N比がチップ毎に大きくバラつくため、多角的なプロファイリング解析を正確に行う事が困難である事が分かった。そこで、この問題を解決するため、化学結合によりテンプレート分子を予めSAM表面に共有結合的に固定化し、MIPRがナノオーダーの薄膜になるよう、重合時間と作製工程の条件を変える事で結合サイトの分布と密度を化学的に制御し、バラつきの低減が可能であるかを検討した。又、テンプレート分子を固定化する際に、ピコリットルオーダーで素子を正確に配置できるインクジェットプリント技術を新たに活用しMIPRチップを作製した。その結果、重合時間を0.5分でバックグランドのバラつきを、従来より約3-4倍低減させる事が可能である事が分かった。同時に、シグナル値の低下も観察されたが全体としてS/N値は増加したため、プロファイリング化に向けて良好な結果を得るに至った。
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