研究課題/領域番号 |
22710126
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
永井 秀典 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 研究員 (40357596)
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キーワード | マイクロデバイス / マイクロアレイ / 遺伝子 / 一細胞 / 単離 / 微小分割 |
研究概要 |
本研究では、診療現場での癌など各種疾患の早期診断を目指して、既存の大型で高価なセルソーターを利用せず、小型化が容易な遠心力による送液と簡便な微小分割による細胞単離を組み合わせ、正常細胞群に僅かに混在する病変細胞を高感度に検出可能な一細胞PCR用ディスクの開発を目的とする。平成22年度において最適化した流路デザインに基づき樹脂製のディスクの開発を行ったが、試料成分の流路表面への吸着により、PCRが阻害されることが判明していた。そこで、本年度は流路表面への試料の吸着抑制の方法の検討を進めた。その結果、タンパクを用いたコーティング技術を新たに開発することにより、PCRを阻害する非特異吸着を抑制し、樹脂製流路においてもPCRが可能となることを実現した。また、PCRのための各ウェルのサイズを微小化していった場合、50pL以下のレベルまで微小化すると界面効果の影響によりPCRが困難となるが、それ以上のボリュームであれば、今回の新規コーティング技術により問題なくPCR可能であることが確認された。これにより、樹脂製PCR用ディスクを用いて、in situ PCR用サーマルサイクラーによりリアルタイムPCRを行った場合、遺伝子増幅に伴う蛍光増加を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書および本年度当初計画に記載した内容通りの成果を達成し、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通り、ヒトTリンパ腫細胞であるJurkat cellの遺伝子を標的としたリアルタイムPCRにより、単一細胞からのPCRについて検証を行う。また、これまでに開発した成果の発表に努める。
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