研究概要 |
本年度は,HCIにおける代表的タスクの観察実験による眼球運動・行動データの獲得と傾向分析ならびに認知オペレーション記述モデルの検討を行った.ここで得られた成果は以下の5点にまとめられる. (1)認知オペレーションと眼球運動特性およびその評価方法に関する知見の調査・サーベイ:関連する研究成果を調査すると共に,研究代表者の今までの関連研究に対する成果を検討・整理し,HCIの分類との対応の観点から資料としてまとめた. (2)眼球運動・行動データの獲得:HCIの例として臨床工学技士業務を対象に,眼球運動・行動データの獲得と,上記(1)の知見を活用した分析を行った. (3)一連の分析手順(データ獲得,書き起こし,コーディング,パフォーマンス評価)について整理し,臨床工学技士を対象とした分析に向けた枠組み(構築する方法の基礎)として整理した. (4)詳細レベルでの心的処理記述方法の策定:既存の心的処理の記述モデルを参考に,もっとも詳細なレベル(短期記憶内の情報処理レベル)での認知オペレーションの記述方法に関する基本的な考え方についてまとめた. (5)詳細な心的処理の類型化に基づく認知モジュールの定義:上記の(4)で述べた心的処理について,その処理の内容および順序のパターンを整理した.
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