研究課題
本研究は,在庫管理に内在する離散凸構造を精査し,離散凸構造に着目した効率的な最適化手法を開発することで,既存の在庫管理手法よりも精度の高い管理と,より多くの情報を扱える在庫モデルへの対応を実現することを目的とする.これまでは,モデルの構造理解が十分に成されていなかったことと,最適化アルゴリズムの性能の限界により,精度の低い在庫管理政策しか示されていなかった在庫モデルに対して,高精度の意思決定法を与えることを目指した.目的の実現のため,(1)数理の詳細化,(b)応用の展開,(c)ソフトウェアの整備,の3つの側面に応じて研究を推進し,研究成果を発表した.本年度の具体的な成果は以下の通りである.・離散凸性と待ち行列理論の関連を精査し,理論解析を行った.さらに在庫管理に現れる離散凸性について研究し,在庫管理における特殊性に着目し,離散凸性の一つ,L凸性に基づいて,最適な予備品在庫を決定するシステムの開発を行った.これらに対し,構築したソフトウェアを公開し、数値実験の結果と共に査読付き論文にまとめ,発表した.・離散凸構造に着目した在庫管理手法が,広く他分野にも応用展開がなされるよう,在庫管理理論を離散凸解析の立場から見直して整理し,解説論文の形にまとめ,発表した.また,前述のソフトウェア公開においては,論文として発表するだけでなく,デモンストレーションのWEB公開も引き続き行い,対象者を専門家に限らず広くアピールすることを心がけた.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)
応用数理学会論文誌
巻: Vol.23, No 2 ページ: 233-252
オペレーションズ・リサーチ: 経営の科学
巻: Vol.58, No.6 ページ: 318-324