研究課題/領域番号 |
22710150
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
鳥海 重喜 中央大学, 理工学部, 助教 (60455441)
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キーワード | OR / モデリング / 数理工学 / 交通計画 / 地理情報システム / 社会調査の計画と解析 / 都市・地域計画 |
研究概要 |
本研究は、1.エアラインの時刻表をもとに、時間の概念を取り入れた航空ネットワーク(以後、時空間ネットワークと呼ぶ)を構築し、2.空港を単位として現状の航空機の動きを時空間的に分析する。また、3.オペレーションズ・リサーチの分野で一般に用いられているグラフネットワーク分析手法を援用して、時空間ネットワークの空間的構造および数理的特徴も分析する。次に、4.地理情報と社会・統計データをもとに都市圏間の旅客数を推計するモデルを開発する。そして、5.全世界を対象として都市圏間OD旅客数を推計するとともに、6.航空機の運航パターンが変化した場合の影響を分析するツールを開発する、という6つのフェーズから構成されている。 1.および2.は初年度に実施したので、2年目の平成23年度は3.および6.を実施した。 まず、3.の実施について、時空間ネットワークにおいて、空港での航空機の離着陸を表す位相情報をもとに、旅客にとっての利便性を乗り継ぎのし易さと定義し、数理計画法を用いて評価した。現在、大手航空会社が進めているHub&Spoke型のネットワーク形態においては乗継便が必然的に増加するため、この視点は重要であると考えている。 次に、6.の実施について、当初の計画では4.および5.を実施した後に6.を実施する予定であったが、3.の実施に伴い、航空機の時刻表を変更した場合の影響について可視化する必要が生じたため、4.および5.に先行して6.を実施した。開発したツールは航空機の時刻表とOD需要を入力として、航空機への旅客の配分結果をグラフィカルに表示する機能を有している。 最終年度では、未実施の4.および5.を実施するとともに、6.で開発したツールの拡張を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災によってクローズアップされることとなった"首都圏の帰宅困難者問題"に関して、その問題点と解決への道筋について優先的に研究を実施した結果、本研究課題を遂行するのに十分な時間を確保することができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
都市圏間の旅客数推計モデルを開発するにあたり、交通計画が専門である鹿島茂教授(中央大学)に研究協力者として協力を仰ぐとともに、研究室に所属の学生にも補助をお願いする予定である。
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