研究概要 |
2010年度は,総務省統計研修所の共同研究制度を利用して,住宅・土地統計調査(昭和53年から平成20年分)の個票データを用い,全国の住宅の耐震改修工事や建て替えと,住宅属性(構造,建築時期等とや世帯属性(家族構成,収入等)との関係性や地域特性についてのデータ分析を進めた.具体的には,まず,我が国の住宅と耐震化の動向の把握を進めた.詳細には,住宅の動向について,住宅数,空家率,所有形態,建て方,構造,建築時期の推移を地域ごとに整理した.また,世帯と住宅の関係について,世帯年収と住宅の関係,家計を主に支えるものの従業上の地位と住宅の関係,世帯の型と住宅の関係の推移を整理した.さらに,住宅耐震化の動向として,耐震診断と耐震改修工事の状況,住宅属性ごとの耐震診断結果,耐震性能が不足する住宅数の推定,建築時期ごとの住宅数の変遷,住宅寿命の推計,滅失および新規供給の傾向,住宅取得方法の変遷と中古購入の増加,借家住宅の建て方・構造・建築時期について整理した.その上で,耐震診断結果と住宅の関係性,耐震診断,耐震改修工事と住宅,世帯,地域の関係性をロジスティック回帰分析で探索した.加えて,都道府県単位でのデータ集計を行い,耐震化関連指標との関係性を見た上で,階層的クラスター分析を行なった.市区町村単位でもデータ集計を行い,耐震化関連指標との関係性を見た上で,マルチレベル分析を行った. 上記作業についてとりまとめ,考察を加えて,2011年度前半に総務省統計研修所リサーチペーパーとして刊行し,引き続き学術論文の作成を進める予定である.
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