本年度は、2カ年研究の1年目として、大災害が発生した際に、実際に障がい者がどのような状態におかれ、どのような助け合いが行われたか、また改善すべきことはどんなことなのかを検討し、基本となる訓練プログラムを、実践を通して開発した。 具体的には、阪神・淡路大震災で被災した神戸市兵庫区の障がい者の方々や、神戸市や兵庫区の行政担当組織と協働し、災害発生から復興までのイマジネーション形成訓練プログラムを開発した。プログラムは5回シリーズのワークショップ形式で行うもので、うち1回は、福祉避難所を運営する地域コミュニティ組織との共同開催とし、災害時の避難所として、障がい者が地域の一員として生活するための互いの助け合いやコミュニケーションの方法を、体験学習を通して学ぶものである。また、災害時の避難環境に関して今後改善していくべき事項を50テーマに集約し、「自分達で今後取り組んでいく必要があること」「行政や地域と連携して取り組んでいくこと」などに構造化し、当事者や地域の「気づき」からの活動を創発させるようなプログラムにするよう心がけた。 また、首都直下地震が想定される東京都内の自治会を対象として、ユニバーサルデザインの考え方に基づく「誰にでも優しい復興まちづくり」を推進するための事前復興計画の立案・策定プロセスにおける市民参画手法の開発を行った。
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