研究課題
個人に対応した生活習慣病の予防・診断や薬剤投与前の事前診断を目的とするSNP解析では、短時間で正確な解析結果を得ることが重要となる。本研究では、DigiTag2法によるSNP解析を短時間かつ低コストで実施することを目指して、実験プロトコルの改良を進める。本年度は、DigiTag2法によるSNP解析にかかる時間を短縮するためのプロトコル改良を実施した。従来のプロトコルでは、Qiagen multiplex PCRキット(工程:マルチプレックスPCR)およびEx Taq polymerase酵素(工程:ラベリング)を使用し、それぞれの工程に5時間30分、3時間30分の時間がかかっていた。両工程で使用する酵素をKAPA2G FAST PCRキット(KAPA)に変えたところ、それぞれの工程にかかる時間を、2時間、1時間30分まで短縮することが可能であることが明らかとなった。SNP解析結果を得るためにかかる総時間についても、従来のプロトコルでは10時間を超えていたが、今回の改良により約5時間まで短縮することができた。KAPA2G FAST PCRキットを用いたSNP解析結果を、従来のプロトコルによるSNP解析結果と比較したところ、解析結果に大きな違いは見られなかった。現在、ヒトの様々な疾患(肝炎、2型糖尿病など)を対象として、KAPA2G FAST PCRキットを用いたDigiTag2法によるSNP解析を実施している。その結果、443種のSNPを対象とした解析を実施し、そのうち419種のSNPで遺伝子型を決定することに成功した(タイピング成功率94.6%)。来年度は、タイピングコストの削減を目指した実験プロトコルの改良を実施する。
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