研究概要 |
新規ダニアレルギーワクチンの開発を目的として、Vector-capping法で作成したコナヒョウヒダニ(D.farinae)の完全長cDNAライブラリのうち、既に塩基配列決定済みの11,520クローンを基に、新規ダニ抗原候補分子のスクリーニングを行った。11,520クローンの5'-,および3'-塩基配列から、クオリティーバリューの低い部分、およびベクター配列を除いてアセンブルした後、重複を除くことで、コンティグが1,717、シングルトンが3,368得られた。これをデータベースThe Gene Ontology (http://www.geneontology.org/)を用いてクラスタリングし、既知のダニ抗原22種とアミノ酸配列で80%以上の相同性を持つものを探索した。その結果、既知抗原そのものも含めて50クローンが選択された。 一方で、抗原感作によるマウス気管支喘息を惹起する実験手技および解析技術を習得し、宿主の糖鎖修飾がアレルギー応答に与える影響を解析した(Allergol. Int. 2011,掲載確定)。また、ヒト血液検体を用いたアレルギーの研究に参加した(J. Immunol. 2011,186(9)5254-5260)。 以上の22年度の研究成果により、23年度において、ダニアレルギーモデルマウスおよびヒト検体を用い、遺伝子解析により選択された50クローンのワクチン効果の評価を開始する準備が整った。
|