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2010 年度 実績報告書

疾患・感染症関連糖鎖を認識する人工低分子レセプターの創製と細胞機能制御への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22710220
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

高橋 大介  慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (00509929)

キーワード糖鎖認識 / 人工レセプター / ガン転移 / 結核 / ボロン酸
研究概要

第三の生命鎖としての糖鎖の重要性が明らかになるにつれ、生理活性糖鎖の機能を人為的に制御する新技術の開発と応用は、次世代の医療分野を含む生命科学において極めて重要である。本研究では、がんの転移や結核菌の生存に深く関与する生理活性糖鎖を選択的に認識し、特定波長の光照射下、その標的糖鎖を光分解することで細胞機能を制御する新たな人工生体機能分子の創製を目的とし研究を行った。研究の初年度である本年度は、研究実施計画に従い、以下の2つの研究項目を行った。1、結核菌の細胞壁構成糖鎖ガラクトフラノシド(Galf)を標的とする人工生体機能分子の創製研究では、まず、当研究室で見出された、長波長紫外光の照射下、糖鎖を光分解するアントラキノン誘導体と、Galfが有する鎖状1、2ジオールと共有結合可能なボロン酸とを連結したハイブリッド分子をデザイン、化学合成した。さらに、本分子の各種糖鎖に対する結合定数を算出したところ、Galfに対して強い結合能を有すること、また、本分子が、ブラックライトの光照射下、Galfを選択的に光分解することを見出した。さらに、本分子が、Galfを細胞壁に有する結核菌の増殖を、光照射選択的かつ効果的に抑制することを見出し、本分子が細胞壁を光分解することで結核菌を死滅させる新たな人工生体機能分子であることを実証した。2、ガン転移関連糖鎖を認識する人工レセプターの創製研究では、基礎研究として、シアリルルイスA(sLe^a)の部分構造であるシアル酸を認識する低分子レセプターの創製を目指した。すなわち、N-アセチル基と水素結合可能な1級アミド、グリセロール側鎖と結合可能なボロン酸、及びカルボン酸とイオン結合可能なグアニジノ基を有する低分子をデザインし、現在、鍵中間体までの合成を達成している。来年度は、sLe^aに対するレセプター分子の創製と細胞機能制御への応用に取り組む予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Photodegradation of Target Oligosaccharides by Light-Activated Small Molecules.2010

    • 著者名/発表者名
      高橋大介
    • 雑誌名

      Angewandte Chemie International Edition

      巻: 49 ページ: 10096-10100

    • 査読あり
  • [学会発表] 結核菌の構成糖鎖を選択的に光分解する光感受性人工生体機能分子の創製2010

    • 著者名/発表者名
      高橋大介
    • 学会等名
      GlycoTOKYO2010シンポジウム
    • 発表場所
      東京大学(本郷キャンパス、東京)
    • 年月日
      2010-11-27
  • [学会発表] Target-selective Photodegradation of Oligosaccharides by Light-activated Small Molecules.2010

    • 著者名/発表者名
      高橋大介
    • 学会等名
      25th International Carbohydrate Symposium
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉)
    • 年月日
      2010-08-02
  • [学会発表] 標的糖鎖を選択的に光分解する生体機能分子の有機合成化学的創製~アントラキノン-ボロン酸ハイブリッドによる結核菌糖鎖の光分解~2010

    • 著者名/発表者名
      高橋大介
    • 学会等名
      第97回有機合成シンポジウム
    • 発表場所
      慶應義塾大学(芝共立キャンパス、東京)
    • 年月日
      2010-06-18
  • [学会発表] アントラキノン-ボロン酸ハイブリッドによる標的糖鎖の選択的光分解と抗結核菌作用2010

    • 著者名/発表者名
      廣野信悟
    • 学会等名
      日本ケミカルバイオロジー学会 第5回年会
    • 発表場所
      慶應義塾大学(日吉キャンパス、神奈川)
    • 年月日
      2010-05-18

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公開日: 2012-07-19  

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