研究概要 |
本年度は,(1)河床間隙水域に生息する大型無脊椎動物の量・種組成およびその時間的・空間的変異の把握, (2)(1)の変異に影響を及ぼす生息場所環境要因の特定を目的とした。 調査対象河川(愛媛県重信川)の源流から14.9~35,3kmの区間に8地点の調査地を設定した。これらの調査地で,平成22年8月および11月に河床間隙水域および表流水域において大型無脊椎動物およびその生息場所環境の調査を行った。調査の進行にともないサンプル処理,データ処理・解析を実施した。 この結果,両水域の無脊椎動物相は全調査地・調査時期を通して異なっており,河床間隙水域ではヒメドロムシ亜科,ミズムシ,シコクメクラヨコエビなどの分類群が特徴的に出現することが明らかになった。さらに,両水域の無脊椎動物相はいずれも河川水質の影響を受けており,下流の調査地ほど汚濁耐性の高い分類群が優占することが示された。河川の広域により得られたこれらの結果は,河床間隙水域における大型無脊椎動物相の把握のみならず,その分布に対する人間活動の影響を明らかにした点において重要であるといえる。この結果の一部と予備的調査の結果をあわせた知見を応用生態工学会第14回研究発表会にて発表した。 なお,上記の研究が順調に進行したため,申請時には次年度にて実施する予定であった,(3)河床間隙水域避難場所仮説の検証,(4)無脊椎動物各種における河床間隙水域の利用能力の評価に関する調査を開始した。 調査対象河川の源流から20,5~27.6kmの干上がり発生区間内から代表的な淵を6箇所選び,調査地とした。これらの調査地で,平成22年10月から1ヶ月おきに河床間隙水域および表流水域において大型無脊椎動物およびその生息場所環境の調査を行った。現在,調査の進行にともないサンプル処理,データ処理・解析を進めている。
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