東アフリカ牧畜社会における暴力紛争を文化化していく政治・社会科学的言説を検討することをつうじて、植民地期以来の構造機能主義的な、均質で自己完結的な集団観と、稀少資源をめぐり共約不可能な形で対立する利害集団モデルにもとづいた介入によって、低強度紛争が、かえっていっそう促進されている現実が生じていることを批判的にあぶりだした。また、東アフリカにおいて一般化している集合的暴力にたいする、牧畜社会における人びとの対処方法と、それらが創造され、活用されてきた社会的プロセスを記述、分析することによって、ローカルな共同体が独自に洗練させてきた牧畜世界の共生論理と実践をあきらかにした。
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