今年度は、各地域に散在する資料を収集する作業と、膨大な資料を精読しつつ整理する作業を中心に行った。 資料調査に関しては、2月から3月にかけて南アフリカ共和国(5泊8日)およびアメリカ合衆国(10泊12日)で行った。南アフリカでは3都市訪問し、キンバリーでは図書館で資料収集を行ったほか、かつてアフリカ正教会のあった場所を訪れた。ケープタウンではケープタウン大学の図書館で資料収集を行った。アメリカ合衆国ではニューヨーク公立図書館で資料収集を行ったほか、ハーレムにあるアフリカ正教会を訪れてミサに参加し、司教にインタビューをした。 これまでの調査においては、史料館や図書館での文献収集が中心であったが、今回の調査では実際の土地や建物を訪れたり関係者に会うなどの機会が得られた。これは、今後より有機的で動態的な歴史を明らかにする助けになると考える。 これまでの資料調査の中間報告については、5月29~30日に開催された日本アフリカ学会第47回学術大会において、「南アフリカにおけるアフリカ正教会」と題する報告を行う予定であったが、当日の体調不良によりキャンセルすることになってしまった。 しかしながら、「アフリカ系アメリカ人コミュニティ形成史研究会」の第5回会合(4月18日13:00~17:30、於専修大学神田キャンパス)では本研究についての報告を行い、メンバーとの有益な意見交換を行った。本研究会の会合は9月、12月にも継続的に行った。
|