研究概要 |
本年度は以下のように研究を実施した。 (1)文献・資料調査:先行研究、国際機関・政府・地方自治体・市民団体による資料・統計、およびマスメディア資料等の渉猟と講読。 (2)フィールドワーク調査:当事者コミュニティおよび日本人支援団体・行政機関等。とくに、以下の点について調査分析を行った。 ・東海地域における移民問題の研究者との交流。 ・日本社会へのフィリピン女性の定住:インタビュー調査を継続し、彼女たちにとっての「日本、フィリピン、移住の経験、ジェンダー」の意味を考察。質問内容は、対象者のライフヒストリー(来日に至る経緯・来日後の経験・滞在資格・人間関係・家族関係・労働状況・生活状況)、日本に滞在する目的と日本社会の印象、移住経験の意味など。 ・送り出し国フィリピンの現地調査:10日間ほどマニラその他の地域に滞在し,以下の点について聞き取りやフィールド調査を行った。(移民希望者のインタビュー、移民送り出しエージェンシーのインタビュー、出稼ぎ移民の故郷のフィールド調査、移民当事者コミュニティの訪問、女性団体の訪問など) ・アメリカ合衆国現地調査:サンフランシスコ/カリフォルニア州において移民支援グループと性労働者当事者団体を訪問、資料収集を行った。 以上の調査を通して、日本社会における移住フィリピン女性の生活状況の概要、法的地位、運動の歴史について知見を得て、それをもとに論文を執筆した。また、送り出し国の状況を把握する作業に着手できた。
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