本研究は、ベーシックインカム要求が、第一に、1970年代にイギリス等でシングルマザーを中心とした社会運動において要求されていたことを明らかにし、第二に、さらにそこでケアの社会化要求などとどのような関連をもっていたかを明らかにすることを主目的としていた。 昨年までの段階で、上記第一の点については、ほぼ調査は終了していた。 昨年度までの研究成果と研究の過程で構築した研究ネットワークを踏まえ、2013年5月に同志社大学において、ベーシックインカムとケアワークをテーマの一つとした、国際会議を主催した。その成果は、2014年度中に、アメリカの出版社Palgrave Macmillanより刊行予定である。 2013年度後半は、ベーシックインカム要求とケアの社会化要求との関連(上記第二の点)について、昨年度までの調査で必ずしも明らかにならなかった点があり、それらの点を解明するため、イギリスにて調査を行った。 その成果を含む報告を、2014年4月にスペイン、パンプローナのナヴァラ公立大学にて行った。また6月にはカナダ、モントリオールのマッギル大学にて、7月にはイギリスのポーツマス大学にて報告を行う予定である。
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