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2010 年度 実績報告書

認知的反省から実践的反省へ―哲学史における反省概念の変遷とその現代的意義の解明―

研究課題

研究課題/領域番号 22720011
研究機関宮城学院女子大学

研究代表者

越門 勝彦  宮城学院女子大学, 学芸学部, 准教授 (80565391)

キーワード倫理 / 反省 / 共同体道徳 / 価値 / 共約不可能性
研究概要

2010年度は、共著論文一本を公刊し、口頭発表一回を行った。
共著論文「倫理に向かう哲学」では、自己の生き方や社会の在り方の吟味という意味での倫理学について論じた。特定の規範体系としての道徳と、それを外部の視点から批判的に検討し、よりよい社会と人生を実現しようとする思考の運動としての倫理を区別し、後者を、「言語表現が果たす役割」、「『問い』の機能」など様々な側面から記述した。自己とそれをとりまく状況に関する吟味が単なる自己理解に終始せず、その成果が実践へと展開するダイナミズムを、平易な言葉で説いた。認識と実践へとつなぐこの反省形態こそ、本研究の主題である「実践的反省」に他ならない。
口頭発表の「価値の共約不可能性が哲学的問題であることの意味」では、何らかの選択の場面で複数の異なる価値から一つを選ぼうとするとき、それらが共通の基準に則して比較できないという事態、すなわち価値の共約不可能性を主題とした。そして、この事態に対する考え方が哲学・倫理学においてもつ意味、とりわけに自己吟味としての反省においてどのような役割を果たしうるかについて考察した。
なお、8月にイタリアのヴェネチアで開催されたフランス語圏国際哲学会に出席し、Troisfontaines氏の発表を聴講し、研究の方向性に関してヒントを得たことを追記しておく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 価値の共約不可能性が哲学的問題であることの意味2010

    • 著者名/発表者名
      越門勝彦
    • 学会等名
      第60回東北哲学会
    • 発表場所
      東北大学川内キャンパス
    • 年月日
      2010-10-24
  • [図書] 哲学の立ち位置-哲学への誘い(共著)2010

    • 著者名/発表者名
      越門勝彦(編著者 鈴木泉)
    • 総ページ数
      326
    • 出版者
      東信堂

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公開日: 2012-07-19  

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