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2011 年度 実績報告書

認知的反省から実践的反省へ―哲学史における反省概念の変遷とその現代的意義の解明―

研究課題

研究課題/領域番号 22720011
研究機関宮城学院女子大学

研究代表者

越門 勝彦  宮城学院女子大学, 学芸学部, 准教授 (80565391)

キーワード反省 / 価値 / 共約不可能性 / 選択
研究概要

・2011年10,月、東北大学倫理学研究室発行の「モラリア」に、価値の共約不可能性に関する論文を発表した。この論文では、善き生や社会規範の根拠となる価値は相互に還元不可能であることを示し、一個人の内部でそのような根本的な価値どうしが衝突したときにどのような解決が図られうるか、について論じた。本研究の主題は、反省概念の変遷をたどり、その多義性を明らかにすることにあるが、価値をめぐる考察はこの主題と深い関わりを持つ。なぜなら、反省という言葉が指し示す知的営みのうち、主要なものの一つとして自己批判があり、これは、自分が選択・行動の根拠としている何らかの価値に対し、別の価値をオルタナティブとして立てるところに成立するからである。言い換えれば、自己批判としての反省は、自己の内部に複数の価値が存在することを条件としており、異質な価値の衝突を解決に導くプロセスは自己批判の具体的内実と重なり合うのである。本論文は、倫理の領域での共約不可能性を主題とし、また一個人内部における価値の対立に光を当てた点に、独自性があると言える。研究計画では、平成23年度に主に英語圏の研究を調査する予定であったが、本論文を準備する過程で、Th.ネーゲルとB.ウィリアムズを中心に予定通り十分な調査が実施できた。論文執筆とは別に、研究計画では,研究上のアイデアを得るためにブラウン大学のCh.ラルモアを訪問する予定になっていたが、これも実施した。さらに、フランス・トゥールーズ大学のP.モンテベッロにも面会してビラン研究に関する討議を行い、有益なアドバイスが得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究に時間と労力を集中して作業を進めているため。

今後の研究の推進方策

研究成果をこれまでよりも多様なメディアで、数多く公表する。平成22年度と23年度は論文が年1本であったが、24年度は年2本の発表を目指す。また、国際学会での研究発表を行うよう努める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 価値の共約不可能性と選択2011

    • 著者名/発表者名
      越門勝彦
    • 雑誌名

      モラリア(東北大学文学部倫理学研究室)

      巻: 18 ページ: 32-51

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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