研究課題/領域番号 |
22720017
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
周藤 多紀 山口大学, 人文学部, 准教授 (50571733)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ポルピュリオス / ボエティウス / 動物 / 古代末期 / 言語哲学 / 自由学芸 |
研究概要 |
1. 西洋古代~古代末期の動物観について、ポルピュリオスの『肉食の禁忌について』をはじめとした文献を読み、その特徴を考察した。 2. 前年度の学会で発表し、学会誌に投稿した論文の校正を行って、出版した。当該論文は、ポルピュリオスやイアンブリコスの伝統が、ボエティウスにいかに継承されたかを考察したものである。さらに、この論文を再検討して、英語版を執筆した。この英語版を国際中世哲学会で発表し、その後推敲して、学会論集に投稿した。 3. 前年度に開始した『ケンブリッジコンパニオン 中世哲学』第2章「言語哲学」の翻訳を完成して、出版した。 4. 2013-2014年に開催される、古代末期~中世の「自由学芸」についてのシンポジウムの企画立案にあたった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ポルピュリオスの思想全体に近づくというのは、当初考えていた以上に野心的な試みであった。ポルピュリオスの思想のいくつかの特徴について解明したが、それらの特徴相互の連関について、十分な考察が行えるまでには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
寄稿依頼を受けたこともあり、ボエティウスの論理学について考察を深める予定である。 これまで、命題や命題を構成する語についての思想を研究してきたが、命題から構成される推論(三段論法)について、ボエティウスの考え方の特徴をを明らかにしたい。
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