本研究の成果は、次の 2点にまとめられる。 第一に、韓国の「国家報勲」政策に対する歴史学的・宗教学的分析であり、 第二に、死者をめぐる韓国ナショナリズム研究を、近代日本の国家祭祀・戦死者慰霊に関する研究に関連付けて考察する比較分析である。 前者は「国家報勲」政策の観点からの韓国ナショナリズムに関する考察であり、後者は韓国におけるナショナリズムの文脈の解析を、日本のナショナリズム研究への示唆とするものである。これらは今後、人文社会科学的観点から韓国研究と日本研究とを接続していくための予備的考察として位置づけられる。
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