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2012 年度 実績報告書

ライシテ(非宗教性)の再定式化のために――フランス、ケベック、日本を事例として

研究課題

研究課題/領域番号 22720029
研究機関上智大学

研究代表者

伊達 聖伸  上智大学, 外国語学部, 准教授 (90550004)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード宗教学 / ライシテ(非宗教性) / 政教分離 / 世俗主義 / フランス:ケベック:日本
研究概要

本研究は、近代の政教関係を再検討し、ライシテ(非宗教性、政教分離、世俗主義と訳される。)を、これからの社会の共生の原理として再構成するための基礎をなすもので、「フランスのライシテの批判的見直し」と「ライシテの脱フランス化」を2つの大きな柱としている。
1点目について、本年度はまず、ライシテの歴史のなかでの変化と現代の動向について、広い読者に向けた論文「ライシテの変貌」(『ソフィア』)を発表した。ライシテ研究の動向については、マルセル・ゴーシェ、ジャン・ボベロ、ルネ・レモンという3人の研究者の方法論を比較検討した「ライシテヘの3つのアプローチ」を『宗教法』に発表した。他方、フランスにおける宗教学・宗教研究の発展の様子をたどりながらその特徴を浮き彫りにする論文を執筆した。また、ライシテの近代にカトリックがどのように適応してきたかという観点から、19世紀末から20世紀初頭にかけてのカトリック社会運動(マルク・サンニエの「シヨン」)に注目し、講演や研究発表を経て論文にまとめた。さらに、ルソー生誕300年を記念して東京で行なわれた国際シンポジウムにて、19世紀フランス思想におけるルソーの「市民宗教」概念の受容のありかたについて発表し、その内容をフランス語の論文にまとめた。
2点目にかんしては、本年度は『ヨーロッパ研究のすすめ』に論文「ヨーロッパの宗教」を寄せ、フランスを含めたヨーロッパの国々の宗教状況の歴史と現状について、各国や地域の特色がわかるように論じた。他方、日本のライシテについては、現代ケベックにおける「教育の危機」にちなんだ企画に「日本の学校の危機」に関する論考を寄せ、近現代日本の教育の構造的問題を同定しながら「宗教的なもの」の位相について論じた。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (5件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] フランスにおける宗教学・宗教研究の歴史的条件と一般的特徴――EPHEの展開を中心に2013

    • 著者名/発表者名
      伊達聖伸
    • 雑誌名

      東京大学宗教学年報

      巻: 30(特別号) ページ: 159-178

    • DOI

      ISSN 0289-6400

  • [雑誌論文] Les postérités de la religion civile dans la France du XIXe siècle : Comte, Tocqueville, Durkheim2013

    • 著者名/発表者名
      Kiyonobu Date
    • 雑誌名

      Bulletin of the Faculty of Foreign Studies

      巻: 47 ページ: 137-152

    • DOI

      ISSN 0288-1918

  • [雑誌論文] 「2つのフランスの争い」のなかの社会的カトリシズム――マルク・サンニエ「シヨン」の軌跡1894~19102013

    • 著者名/発表者名
      伊達聖伸
    • 雑誌名

      上智ヨーロッパ研究

      巻: 5 ページ: 23-42

    • DOI

      ISSN 1883-5635

  • [雑誌論文] ライシテへの3つのアプローチ――マルセル・ゴーシェ、ジャン・ボベロ、ルネ・レモンの著作にみる研究動向の一断面2012

    • 著者名/発表者名
      伊達聖伸
    • 雑誌名

      宗教法

      巻: 31 ページ: 79-99

    • DOI

      ISSN 0288-6820

  • [雑誌論文] ライシテの変貌――左派の原理から右派の原理へ?2012

    • 著者名/発表者名
      伊達聖伸
    • 雑誌名

      ソフィア

      巻: 60-2 ページ: 106-122

    • DOI

      ISSN 0489-6432

  • [学会発表] フランスの社会的カトリックに関する一考察―マルク・サンニエの「シヨン」を中心に

    • 著者名/発表者名
      伊達聖伸
    • 学会等名
      第54回印度学宗教学会
    • 発表場所
      東北福祉大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 「2つのフランスの争い」のなかの社会的カトリック――マルク・サンニエ「シヨン」の軌跡1894~1910

    • 著者名/発表者名
      伊達聖伸
    • 学会等名
      第154回(再編第29回)関西フランス史研究会
    • 発表場所
      京都大学
  • [学会発表] 現代ケベックの「インターカルチュラリズム」と「ライシテ」に見る新たな共生の理念――「倫理・宗教文化教育」の挑戦」

    • 著者名/発表者名
      伊達聖伸
    • 学会等名
      旭硝子財団研究助成発表会
    • 発表場所
      ホテルグランドヒル市ヶ谷
  • [学会発表] 市民宗教再考――19世紀フランスの思想家たちに即して

    • 著者名/発表者名
      伊達聖伸
    • 学会等名
      日本宗教学会
    • 発表場所
      皇學館大学
  • [学会発表] 19世紀フランスにおける市民宗教の諸相――コント、トクヴィル、デュルケム

    • 著者名/発表者名
      伊達聖伸
    • 学会等名
      ジャン=ジャック・ルソー生誕300周年記念国際シンポジウム
    • 発表場所
      日仏会館
  • [学会発表] « L’amour pour principe, la durée pour base, la création pour but » ? : Quelques points de convergence entre Comte et Bergson

    • 著者名/発表者名
      Kiyonobu Date
    • 学会等名
      Le 5e colloque international du Projet Bergson au Japon
    • 発表場所
      法政大学
  • [学会発表] フランスにおける宗教学・宗教研究の歴史的条件と一般的特徴――EPHEの展開を中心に

    • 著者名/発表者名
      伊達聖伸
    • 学会等名
      宗教史学研究所第56回研究会
    • 発表場所
      東洋英和女学院大学
  • [図書] ヨーロッパ研究のすすめ2012

    • 著者名/発表者名
      上智大学外国語学部編
    • 総ページ数
      153-178
    • 出版者
      上智大学外国語学部
  • [図書] 革命宗教の起源2012

    • 著者名/発表者名
      アルベール・マチエ
    • 総ページ数
      247
    • 出版者
      白水社
  • [図書] L’éducation en péril : Pour mieux comprendre le « printemps érable »2012

    • 著者名/発表者名
      D. Letocha et F. Parent (dir.)
    • 総ページ数
      440
    • 出版者
      Fides

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公開日: 2014-07-24  

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