本研究課題は、古代儒家思想における人性論の歴史的展開と、儒家道家の思想交渉の歴史的展開に関する研究を進めた。具体的には、(1)『孟子』所載の仁内義外説を再検討し、「義」に対する告子の倫理思想を明らかにした。(2)郭店楚簡『性自命出』に見える「性」「命」「勢」「物」といった概念の意味内容と比喩表現を再検討し、その思想的特徴を明らかにした。(3)上博楚簡『民之父母』に見える「五至」について、『老子』『荘子』『淮南子』の記載を手がかりにその意味内容を検討し、儒家と道家の思想的交渉の様子を明らかにした。
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