研究課題/領域番号 |
22720032
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
井柳 美紀 静岡大学, 人文学部, 准教授 (50420055)
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キーワード | 政治思想史 / フランス啓蒙思想 / マイノリティ・多様性 / 社会的紐帯 |
研究概要 |
本研究は、近代ヨーロッパの他者認識とその政治思想的意義の解明を目的とし、本年は特に十八世紀フランス啓蒙期を対象として分析した。まず、ディドロは非理性的存在・社会的少数派・非ヨーロッパ世界などへの言及において所謂ヨーロッパ中心主義や理性中心主義とは異なる見地に立ち、『百科全書』編集以降の政治思想でも植民地論などそのような視座が貫かれている点につき従来の見地を深めた。更に、本年は、人民主権論を提唱したルソーの政治思想における「祖国愛」「道徳」「習俗」などの観念の分析と同時に、それが彼の国際平和論や「人類愛」に関する議論との関連でもつ意義について、教育論における対他感情の育成の観点などから明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は、当初の計画の基本的観点に沿って、一定の進展が見られるが、本年度は資料調査研究が主となったため、ルソーの政治思想に関する論文などは、次年度の公表となる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、これまでの成果について特に、ディドロ、ヴォルテール、ルソーなどを中心として、マイノリティ認識や多様性への認識、さらに社会的紐帯をめぐる問題を検討しており、最終年度は、フランス啓蒙思想がこの問題についてもつ政治思想的意義を総括し、とれまでの成果を論文として公表する。
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