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2010 年度 実績報告書

ミシェル・フーコーの方法論の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 22720033
研究機関立命館大学

研究代表者

箱田 徹  立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (40570156)

キーワード思想史 / 哲学 / フーコー / フランス / 20世紀 / 言説
研究概要

当初の計画を若干変更し、2011年度刊行予定の自著の内容との関連性を踏まえた上で、2010年度はフーコー『知の考古学』(1969年)を主な分析・読解の対象とした。年度前半は関連文献の収集と分析を行った。そして『知の考古学』に関わるフーコーの議論を、言説分析の方法論の一般化のプロセスとしてではなく、言説が実践されることの意味と機能をめぐる問いとして捉えれば、1970年代以降の彼の思索の展開との関連性をよりよく取り出せるのではないかとの仮説を立てた。
10月の社会思想史学会大会の発表では、この観点から『知の考古学』に登場する〈出来事〉なる語を取り上げた。そして出来事の語が、1960年代末以降にフーコーの中で高まる社会問題への関心と、申請者がこれまで扱ってきた後期フーコーの概念群とを橋渡しする役割を担っていると指摘した。具体的には、フーコーが出来事という語を歴史上の「事件」という意味から切り離し、実践的な言説と結びついた一つの概念として取り出したことの意味は、〈知-権力〉という1970年代以降の権力論の展開につながるだけでなく、一回的な経験の分析によって自分たちの「いま・ここ」を診断する〈出来事化〉の実践、すなわち非連続性の〈経験〉を問題化する後期フーコーの問題系を準備したことにあると論じた。
このほか年度後半の2011年2月から3月にフランスに渡航し、フランス国会図書館(パリ市)、Institut Memoires de l' edition contemporaine(カルヴァドス県カン市)で資料調査を行うと共に、ボルドー第3大学(ジロンド県ボルドー市)を中心に開催されたカンファレンス「フーコー使用法」(Usages de Foucault)に参加し、研究者と交流すると共に、フランスを中心としたフーコー研究の現状を把握した。以上の知見を活かし、2011年度は研究成果のさらなる公表に努める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 『六八年五月』とフーコーの出来事概念:『知の考古学』と現在の出来事化2010

    • 著者名/発表者名
      箱田徹
    • 学会等名
      社会思想史学会・社会思想史学会研究大会
    • 発表場所
      神奈川大学(神奈川県)
    • 年月日
      2010-10-23

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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