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2012 年度 実績報告書

近代宗教思想史におけるスピノザ受容史

研究課題

研究課題/領域番号 22720034
研究機関佐賀大学

研究代表者

後藤 正英  佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (60447985)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード国際情報交換 / 国際研究者交流 / ヤコービ / スピノザ / ユダヤ教 / メンデルスゾーン / フィヒテ / 汎神論
研究概要

今年度はヤコービ研究の専門家であるドイツ・ルール大学のザントカウレン教授を招聘した。当初は11月の初旬に三つの講演会の開催を計画していた。第一の講演テーマは「ヤコービの『スピノザとアンチスピノザ』」(大阪大学の上野修教授と入江幸男教授の協力のもとに計画)、第二の講演テーマは「教養-疎外か和解か」(一橋大学の大河内大樹准教授の協力により計画)、第三の講演テーマは「フィヒテの『人間の使命』―ヤコービへの回答は成功したのか?」(入江幸男教授と日本フィヒテ協会の岡田勝明会長の協力のもとに計画)であった。最初の講演は、特定質問者として新潟大学の栗原隆氏を迎えて予定通り開催され、参加者との間で密度の濃い議論を行うことができた。しかし、残念ながらザントカウレン氏がご家族の事情により急遽帰国されることになったため、第二の講演は中止し、第三の講演では、私が翻訳原稿を読み上げ、駒澤大学の久保陽一教授と上智大学の長町裕司教授が事前に用意していた質問を提起する形で講演会を実施した。
ここでは、本研究課題の中心的テーマと連関する第一の講演について概要を紹介しよう。講演の主題は、ヤコ―ビ自身の「私のスピノザとアンチスピノザ」という表現に現れている彼の二重哲学の中身を明らかにするものであった。ザントカウレン氏は、ヤコービの哲学は彼の論争相手側の色眼鏡によって誤解されることが常であったため、彼の真正の思想を明らかにすることが重要であると主張する。ザントカウレン氏によると、ヤコービはメンデルスゾーンやドイツ観念論の哲学者たちのようにスピノザ哲学の衝撃を回避しようとはせずに、まずはスピノザの合理的形而上学の帰結を正面から受け止めたのであり、そのうえで、ヤコービはスピノザの哲学を理論的に論駁しようとしたのではなくて、人間的実践の経験の立場(参加者のパースペクティブ)から実践的に対抗しようとしたのである。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Jacobis "Spinoza und Antispinoza"2013

    • 著者名/発表者名
      Birgit SANDKAULEN
    • 雑誌名

      Philosophia OSAKA

      巻: 8 ページ: 23-26

  • [雑誌論文] 西谷啓治における神秘主義の問題2012

    • 著者名/発表者名
      後藤正英
    • 雑誌名

      理想

      巻: No.689 ページ: 51-61

  • [図書] 根源悪の系譜2013

    • 著者名/発表者名
      バーンスタイン(共訳)
    • 総ページ数
      16-69
    • 出版者
      法政大学出版局
  • [図書] 光華会論集 第4巻2013

    • 著者名/発表者名
      最近のハーバーマスの宗教論について
    • 総ページ数
      1-18
    • 出版者
      永田文昌堂
  • [備考] 日本フィヒテ協会

    • URL

      http://www.fichte-jp.org/

  • [備考] スピノザ協会

    • URL

      http://www1.odn.ne.jp/gakuju/kyokai/spinoza.html

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公開日: 2014-07-24  

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