研究課題/領域番号 |
22720036
|
研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
鈴木 孝子 国際基督教大学, アジア文化研究所, 研究員 (70459006)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 日本思想史 / 儒教解釈 / 神観念 / 国学 / 民俗学 / 民間信仰 / 宗教政策 / 地域社会 |
研究概要 |
今年度は学会発表と資料調査に終始し、年度末にアテネにて開催予定の国際学会に向けた英文原稿の作成とウェブエントリーを遂行した事を報告する。資料調査のため新発田市立図書館、京都大学附属図書館、東北大学附属図書館の蔵書を閲覧し、平田篤胤の鬼神論解釈と民俗学的問題意識を新井白石のそれと比較分析を行い、鬼神論が地域社会に及ぼした影響を分析した。平田篤胤は新井白石以上に地域の社会共同体の維持再生に関心が強く、特に彼の問題意識は都市化および都市生活の弊害に注視しており、彼の宗教解釈に強く反映されていることを確認した。平田国学への問題提起と分析手法は様々であるが、私は都市化と都市生活の悪影響に立脚した分析が必要と考える。宗教解釈に教育とモラルの問題に着眼すべきであるという新しい視点を今年度のリサーチで見いだせたことは収穫であった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
資料調査にて得た知見を論文として執筆することができなかったことによる。国際学会への準備が必要であったとは言え、通常業務と資料調査のための準備との時間配分、作業能率の向上に大きな課題を残した。ITリテラシーと作業環境の改善、特に時間管理、モチベーション管理に取り組む必要がある。成果に集中する重要性を実感できたことは小さな進歩ではある。
|
今後の研究の推進方策 |
日本語と英語での論文執筆のために必要な段取りと時間管理研究環境の改善に取り組むことが急務である。成果に集中することが克服すべき最大の課題である。もっとも、今年度の調査で新しい研究ヒントも与えられたので、儒者の鬼神論解釈を相互比較するテーマの次を視野に入れつつ、本研究課題を成し遂げることとしたい。
|