研究課題/領域番号 |
22720039
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
李 豪潤 立命館大学, 文学部, 助教 (50513165)
|
キーワード | 思想史 / 対外関係史 / 朱子学 / 通信使 / 燕行使 / 朝貢冊封秩序 / 華夷思想 / 交流史 |
研究概要 |
本年度は、研究代表者の科学研究費補助金による研究成果として「『天学問答』紹介」と「韓国における日本思想史研究」の2本の論文を2011年10月、2012年3月に公刊した。また、研究代表者や研究協力者が定期的に意見交換を行なう日本思想史研究会に合計16回、東アジア思想文化研究会に合計12回、立命館大学コリア研究センター月例研究会に合計8回参加し、研究代表者を含めた日本在住、および海外の研究者からの報告が行われ、東アジアにおける知のネットワークに関する多様な論点について理解が深められた。また、8月2日~8月4日に立命館大学で「東アジアの中の日本と朝鮮半島」を共通テーマとして開催された立命館大学コリア研究センター次世代研究者フォーラム及び、8月22日~23日に韓国東亜大学校で「東アジアの安定的な発展のため」を共通テーマとして開催された日韓次世代学術フォーラム第8回国際学術大会に参加し、東アジアから集まった研究者・院生と意見交換を行った。さらに、5月14日には、韓国東義大学校で開催された韓国近代学会第23回国際学術大会で「16世紀東アジアの思想空間と藤原惺窩」と題する研究報告を行い、近世東アジアにおける知のネットワークについて研鑽を深め、相互の議論を行った。これらと並行して、東京・福岡・ソウル・釜山で対外関係・交流史跡フィールドワーク、及び最近の対外関係についての研究書等、史料・書籍の蒐集を行った。特に今年度は東アジアの知のネットワークの究明おいて欠かせない国であるベトナムの国子監・孔子廟・宗廟・社稷壇・南郊壇など儒教儀礼関係史跡においてのフィールドワークおよび資料収集を12月に行った。また、これまでに蒐集された史料、研究書の整理と分析を進め、それをほぼ完了した。今後は、16世紀東アジアにおける心学思想の展開と朝鮮・日本儒学への影響が課題となるだろう。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日中韓でこれまで「一国思想史」として個別的に蓄積された膨大な研究成果もあり、こうした研究成果をふまえ、近世東アジアにおける共時的思想空間及び、知のネットワークという観点で分析する際、従来解明できなかった問題に対し新しく解釈ができる課題が多数見つかり、順調にその分析作業を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
立命館大学図書館、立命館大学人文系文献資料室等を中心とした文献目録の作成、その文献目録に基づく国会図書館、東京大学図書館、韓国国立中央図書館、中国国家図書館等での文献・史料の収集及び、日・中・韓におけるフィールドワークに基づく文献・史料の収集・分析を行い、研究成果としてまとめて行きたい。
|