研究概要 |
今年度は4月2日にミシガン大学美術館で開催されたシンポジウム、"Saying Yes to Say No : Art and Culture in 1960s Japan"で、"Introducing Art under the Nuclear Umbrella : The New Japanese Painting and Sculpture at the Museum of Modern Art, New York"と題した発表を行った。また、6月に早稲田大学で開催されたAsian Studies Conference Japanという学会では、"How New York Defended the Idea of Modern Art : A Case of Postwar Art from Japan, 1966"と題した発表を行った。 これらの論考の成果は、「ポスト・コンフリクトの日米美術交流:ジョン・D・ロックフェラー3世の役割を中心に」と題した論文にまとめ、『コンフリクトの人文学』ジャーナルに投稿し、査読を経て掲載された。11月にはハーヴァード大学で開催される大阪万博についてのシンポジウムで、EATという団体が関わったペプシ館について"World without Boundary ?' E.A.T。Goes to the Expo'70, Osaka"と題して発表した。このため、7月末から8月にかけてロサンジェルスのゲッティ財団研究所のアーカイヴで調査を行い、EATに関する文書を調べた。この調査と発表の成果は城西大学の紀要が企画している大阪万博特集号に論文として発表予定である。 この他、9月末には単著The Great Migrator : Robert Rauschenberg and the Global Rise of American ArtがMIT Pressより刊行されたことが本年度の大きな成果である。また、10月にはインドで行われたアジアキュレーターズ会議に招待され、オーラルヒストリーの取り組みについて講演したほか、国内外で日本人作家にオーラルヒストリーの手法を用いたインタヴューを行った。また11月には東京芸大で開催したオーラルヒストリーのシンポジウム企画に携わり、司会者として登壇した。
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