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2012 年度 実績報告書

ファッション文化史から見る「お針子」の表象―19世紀アメリカを中心に

研究課題

研究課題/領域番号 22720061
研究機関神戸大学

研究代表者

平芳 裕子  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (50362752)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードファッション / お針子 / 繊維産業 / アメリカ / 19世紀 / 女性
研究概要

本年度の研究課題は、産業革命による紡織産業の機械化によって、布地・衣服制作に関わる女性たちの習慣がいかに変化し、近代のファッション文化を形成するに至ったのか、そのプロセスの考察である。特に19世紀前半のアメリカにおいて発刊された新聞・雑誌・統計報告、女性たちの日記や手紙を調査・収集し、布地の扱いをめぐる女性の習慣がいかに変化したのかを考察した。研究を通じて明らかとなったのは以下の点である。歴史を通じて布作りは女性の仕事と見做されてきたが、紡織産業の機械化によって、女性たちはそれまで家事の中で大きな比重を占めていた糸紡ぎや機織りから解放された。しかし農村の余剰労働力となった女性たちは、機械を監視する工場労働者として、あるいは都市のお針子として賃金労働に従事した。ここでローウェルの女工たちは布地の生産に携わると同時に、余暇には服飾品を購入し、消費者としても育成された。一方でお針子は、ミシンの実用化前の時代において、過酷な労働環境と低賃金に耐えながら、次々と機械生産される布地を衣服に仕立てた。しかしながら下層階級だけでなく、家庭との結びつきを象徴する針仕事には様々な境遇の女性たちが従事した。そして都市経済の発展とともに増大した中流階級は、女性誌に掲載され始めた裁縫記事を頼りとしながら、流行のスタイルを家庭裁縫に取り入れていった。以上のように、あらゆる階級の女性たちが布地や衣服を取り巻く習慣を大きく変えながら、流行文化の形成に加担していった様子が浮かび上がった。19世紀前半のアメリカ女性たちの衣服をめぐる経験は、様々な国々で近代化の通過点に生きた女性たちの経験の変容を縮図として示していると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「縫う女性」の表象ー『ゴーディズ・レディズ・ブック』を手がかりにー2013

    • 著者名/発表者名
      平芳裕子
    • 雑誌名

      美学

      巻: 242号 ページ: 155-166

    • 査読あり
  • [学会発表] 「縫う女性」の表象ー『ゴーディズ・レディズ・ブック』を手がかりにー

    • 著者名/発表者名
      平芳裕子
    • 学会等名
      美学会
    • 発表場所
      京都大学

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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