フランスの音楽政策は、体系的な理論に立脚している西洋芸術音楽のみならず、「現在の音楽(musiques actuelles)」という分野に対する関与を重要視している。このことは、音楽の支援という目的の他に、若者や移民などに対して社会参加を促すことや就労支援など音楽支援以外の意味も有すると指摘されている。本研究では、「現在の音楽」に対する政策を対象として、それらに対する論考や実際に「現在の音楽」に関わる諸機関や組織を調査することで、フランス音楽政策の全体像を把握することに努めた。文献資料の検討に加え、フランスにおける現地調査では様々な実施例を見ることができ政策を具体的に理解することができた。
|