本研究は、現在の音楽教育に用いられている五線譜を、三味線や琴、尺八や鳴物といった日本の伝統音楽に用いられている邦楽譜(エエ四)へ変換することを実現させるために、多くの楽曲について相互変換の実験を重ねることにより、その精度を向上させることで、邦楽器を用いた音楽教育の有用性を確認することを目的としている。 本年度は、平成22年度から収集している文献、五線譜及び邦楽譜を基に、楽譜そのものの調査を行うとともに各邦楽器(三味線、琴)への変換実験を行い、実験結果に基づき、その相互変換システムを確立し、タブレット端末に実装、更には各演奏者による評価実験を行い、システムを確立するとともにその成果発表を行う予定であった。 しかしながら、三味線、琴への変換実験の過程で、楽譜の記載方法が大きく異なるという問題が発生し、各楽譜への対応の再検討、再評価が必要となった。平成24年度に再実験を行う予定であったが、研究代表者の体調不良により本研究では前述の問題提起により、更なる研究方法の構築及びシステム開発が必要であることを確認した。
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