本年度は最終年度として研究を総括すべく、研究成果のとりまとめを集中的に行った。 1.西山宗因真蹟資料データベースの完成:昨年度までに作成した西山宗因真蹟資料データベースにつき、補完的な原典調査を実施するとともに、新たに情報の得られた個人所蔵者の所蔵資料の原典調査を実施した。その結果、西山宗因真蹟資料データベースに宗因真蹟色紙・短冊あわせて13点の新出資料を付加することができた。これらの情報を整理し、書式を整えて、「現存西山宗因真蹟一覧」稿を完成させた。「現存西山宗因真蹟一覧」は、2014年度刊行予定の『西山宗因全集 第6巻 解題・索引篇』(八木書店)に収録することが確定している(印刷中)。 2.西山宗因評点をめぐる論考の発表:昨年度までに分析した宗因評点資料を整理したうえで、宗因の俳諧点業の意味についてその全文業と関係づけながら考察し、論文「西山宗因の俳業」にまとめた。「西山宗因の俳業」は、2014年度刊行予定の『ことばの魔術師西鶴―矢数俳諧再考』(ひつじ書房)に掲載が確定している(印刷中)。 3.西山宗因歳旦資料をめぐる口頭発表:榊原家史料中に収められる西山宗因真蹟の歳旦書付3点を紹介しつつ、江戸時代初期、歳旦が多く書付・書写のかたちで流通していたことについて、口頭発表「〈歳旦〉から〈歳旦帖〉へ―近世初期の歳旦をめぐって」を行った(2014年12月15日、平成25年度大阪俳文学研究会シンポジウム)。
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